意外と知られていない?クラリネットによる民族音楽のススメ
こんばんは。
はやくも3日目、順調に3週間連続ブログ更新プロジェクトをこなしております、樋渡です。
突然ですが、みなさんはクラリネットというとどんな音楽のイメージを持ちますか?
おそらく大多数の人がクラッシック、とりわけ日本では吹奏楽で活躍する楽器、というイメージが定着しているのではないでしょうか。
吹奏楽以外となると、オーケストラ、ジャズ。だいたいの人はこれらの選択肢が思い浮かぶと思います。逆にこれ以外に思い浮かぶジャンルってほぼないんじゃないかと思います。私も今まではそうでした。ですが、
実はもっと活躍している場があった!
「クレズマー」という言葉を聞いたことがある人はどのくらいいるでしょうか?
ウィキペディア先生によると、
クレズマー(כליזמר, Klezmer)は、東欧系ユダヤ(イディッシュ)、アシュケナジムの民謡をルーツに持つ音楽ジャンルのひとつ。有名な曲に「ドナドナ」や映画『シンドラーのリスト』(スティーヴン・スピルバーグ監督)の音楽などがある。
「ドナドナ」は音楽の教科書にも載っているので有名ですね。もの悲しく、でもなんとなく明るさもあって、でもやっぱり全体的には湿っぽい。そんな曲です。
このクレズマー音楽は、起源はバルカン半島北部(ギリシャやクロアチア、トルコのヨーロッパに近い部分)を含む東ヨーロッパとドイツとされています。
そして主な特徴として、
ヴァイオリンとクラリネットが含まれている編成
が挙げられます。
そうなんです、
クラリネット!!!!
YouTubeで検索すると、だいたいの動画にはクラリネットが入った編成のものが出てきます。
聴いてみると、クラッシックでは考えられないほどのグリッサンド(一音一音を区切らずにつなげて演奏する奏法。サイレンのような音がなる)、音色もどちらかというと開き気味だったりぱっと聴いただけではクラリネットとわからないような明るい音を出す人もいます。
まるで、今までのクラリネットの概念が打ち砕かれるような演奏!!
あまり良い言葉ではないかもしれませんが、野蛮な音、という表現がしっくりくる気がします。
だいぶ好みは分かれるかもしれませんが、少なくとも私はこの感じに、ハマりました(笑)
どギツいグリッサンド、わざとらしい非和声音…
クラシカルなイメージのクラリネットとはほぼ真逆の音楽です。
ところで、なぜ急にこんなクレズマー音楽の話をしたかと言うと。
先々週の吹奏楽の本番で「イディッシュ・ダンス(Yiddish Dance)」という曲を演奏したからなんです。
イディッシュとはユダヤ語、という意味で、まさにユダヤ人の民謡であるクレズマー音楽をもとにつくられた曲であります。
聴いていただけるとおわかりの通り、クラリネット(特にE♭クラリネット)がソロで大活躍します。
ちなみに、私は初めてこれを聴いた時、「ディズニーのアラジンのとこで流れてそうな曲だな〜」と思いました。(誰か共感してくれる人いるかな…)
今までずっとアラジン=インドだと思っていただけに気になって調べてみたら、アラジンの元になった「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」、そういえばこれはイスラム世界における説話集なんでした。
どうやらお話の中にはユダヤ人という表現も出てきているようです。納得!
とここまでだいぶ長くなりましたが、先日行ってきた民族音楽を得意とするバンドのライブ、こちらでもばっちりクレズマー音楽をやってくれていました。
このバンドは「ようそろ〜ず」というのですが、メンバー曰く
このバンドはライブのためにリハをするのではなく、民族音楽を研究するためにリハし、研究の成果を発表するバンドです。
とのこと。
なんとも素敵なコンセプトです…!
ちなみにこのバンドではクレズマーだけじゃなくてショーロやカントリーミュージックなどいろんな国々の音楽を演奏(研究)しています。このライブを聴いて、クラリネットの汎用性の高さに感動しました。
若干話はそれましたが、とにかく、クラリネットによる民族音楽、その中でもクレズマー音楽は私にとって軽くカルチャーショックを受けるレベルで新しい音楽観をもたらしてくれました。
なんだかこれを深く掘り下げたら論文書けそう(笑)
最後に、この記事を書くにあたって、高校生の時に購入した「よくわかる世界史」には大変お世話になりました。とっといて良かった…!
というわけで、こんなにクラリネットが活躍するのに日本ではあまり有名でないクレズマー音楽、これを機に聴いてみてもらえると嬉しいです!
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