専門楽器の技術だけじゃない!音大で学べる、経験できること

こんばんは!
クラリネット吹きの樋渡彩です。

ふと、そういえば「音大ってどんなところ?」という情報は最近増えてきたけれど、そのほとんどが「それぞれの楽器の専門的なレッスンが受けれる!」「さまざまな合奏経験が積める!」という、専門楽器のレッスンや合奏授業に関することばかりが多いなと思いました。

そこで!
今回は私が在学中に学んだり経験した、「音大って実はこんなことができるんだ!」「こんなことをやってるんだ!」という、あまり知られていない側面を紹介しようと思います。



■同じ楽器専攻生だけが集まって演奏会を開く

これは主に関東圏の私立の音大に多く当てはまるもので、また各音大によって多少違うところもあるのですが、専攻楽器ごとに研究会というものが組織されています。例えば、クラリネットを専門に勉強する学生はクラリネット研究会、というような。そしてまたややこしいのは、ピアノや弦楽器や声楽専攻生にはこのようなものはなく、管楽器のみであるということ。


そして各楽器ごとに専攻生が集まって(任意ではあるけれど確実に7、8割程度は参加、ほぼ全員強制という学校もある)、年に一回演奏会を行なっています。


……想像つきますでしょうか?

吹奏楽やオーケストラはいろんな種類の楽器が集まって演奏しますが、研究会の演奏会はトランペットならトランペット、クラリネットならクラリネット…と、

同じ楽器ばかりが集まって演奏をする

のです!

と言っても、クラリネットは高い音が出るEsクラリネットから私の身長より大きく低い音が出るコントラバスクラリネットなど、たくさんの種類の「クラリネット族」の楽器で編成されます。

(これぜんぶ、みーんなクラリネット族の楽器です)



大学によっては「サクソフォーンオーケストラ」や「フルートオーケストラ」など、合奏の授業として開講しているところもあるのですが、大学のカリキュラムとは一切関係ないところで、専攻生たちが集まり、曲を決め、ホールを予約し、チラシをつくり、練習をし、チケットを捌き…と、演奏会を行なっているのです。


大学の規模や在学生の人数にもよるのですが、私が四年の時は約50名ほどのクラリネット専攻生によるクラリネットオーケストラ(クワイアー)が編成され、オーケストラのために書かれた曲などを演奏しました。


同じ楽器ばかりが集まるので音色の幅は狭くなりがちですが、その中でどうやったら色彩豊かな演奏が出来るか、ということに挑戦できるのがこの演奏会の醍醐味ではないでしょうか。

また、演奏をするだけじゃなく、演奏会を開くために学生同士で協力して運営するので裏方の経験もできます。

もちろん、これは授業ではないので大学のホームページには載っていません!
入学してから初めて知ったことのひとつでした。



■個人では所有しきれない楽器が吹ける!

音大には数々の特殊管があります。
楽器室に保管されている楽器が、その専攻の楽器に限り貸し出してくれます。
クラリネットなら、Esクラリネットやバスクラリネットなどを借りることができ、吹奏楽やオーケストラ、そして前述の専攻生によるその楽器だけの演奏会で使用したり。

これは本当に音大特権…!
学生のうちじゃないと経験できません。




■いろんな楽器の人とアンサンブルする機会がある

これは想像がつくかもしれませんが…
音大には管楽器、弦楽器、打楽器、声楽、電子オルガンなど、いろんな楽器の専攻生がいます。

クラッシックの学生は「室内楽」という授業で、木管5重奏や金管10重奏など自分たちで集めたメンバーで履修登録をし、レッスンを受けることができます。

ですがその授業を取らなくても、自分でメンバーさえ集めれば弦楽四重奏とクラリネットでクラリネット五重奏曲を演奏することだってできます。

この曲やりたい!だったり、こんな編成で演奏してみたい!と思った時に、自分から動く努力をすれば実現できてしまうのが音大の良いところだと思います。


ちなみに私は、打楽器の子に声をかけられ、打楽器3人とバスクラリネットのために書かれた現代曲を演奏する機会もありました…
すごく難しくて大変でしたが(笑)、きっとこれから先こんな編成で演奏する機会なんてないと思うのでとても良い経験ができました!そして何より勉強になった!



■違うジャンルの音楽も勉強できた!

音大では自分の専攻楽器以外に副科レッスンというものを受けることができます。
だいたいの学校では管楽器や声楽の人はピアノのレッスンを受けることが多いです。

ところが、これは私が在学していた大学特有のようで他の音大の子に羨ましがられたのですが、クラッシックを専攻していてもジャズなど他のジャンルのレッスンを受けることができる!

また、副科レッスンではなくても、ジャズコース生以外のコース向けに開講している「ジャズ実習」という授業があったり。

これについては、各専攻やコースごとで縛りがある大学もあるとは思いますが…
しかしコースが違っても先生に直談判してみると聴講が認められたり、ある程度自由が効くところが多いのではないでしょうか。



長くなりましたが、あくまでも私が在学していた大学で出来たのはこんな感じです!
他にも、授業とは関係ないところでも、やりたい!と思ったことにはすぐに手を伸ばして挑戦できる環境だったなあとつくづく思います。


これはほんの一例にすぎないので、他にも出来ることや学べることはたくさんあります。
とにかく私は、せっかく高い学費を払って音大という特殊な環境で勉強をさせてもらっているのだから、出来そうなことは何でもやってみる!の精神で学生時代を過ごしました。


受け身でいるだけじゃなく、自分から動くことが大切です!



音大で学べることは授業以外にもたくさんあるので、ぜひ色んなことに目を向けて欲しいなと思いました。


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